こんにちは。SUICHスタッフです!ある日、X(旧Twitter)を眺めていたら、こんな投稿をされていました。
一目見て生成AIだな。って思うんだけど、なんでなんだろう?良いとか悪いとかいう話じゃなくて。指の本数とかそんな細かい話でもなくて。遠目で見ても一発でわかる生成AIの作風っていうか pic.twitter.com/M7IxOn3oFO
— 緑川美帆┃G.River┃幻獣イラストレーター🐉9㍍ (@GR_River) August 28, 2025
思わず「あるある!」と唸りたくなる感覚ですよね。私たちも「あ、この絵、AIだ」と直感でわかる“アレな感じ”があるのを日々感じています。
この“違和感”には、人間が持つある種の鋭いセンサーが働いています。いわゆる“解剖学的に狂っている”とか“テキストが変”といった明確なミスではなく、もっと直感的な、曖昧な「何かヘン」という感覚。それが一瞬で、しかも遠目からでも伝わってしまうから怖いんです。
この投稿には大きな反応が集まり、多くの人が共感しています。「違和感」のバイラル性と、ブランドへの潜在的なダメージの大きさがここに現れています。
もちろん、AIによるイラスト生成には素晴らしいメリットがあります。コストを抑えながら制作スピードを爆速化できるし、バリエーションも自在に作れます。
ただ、それだからこそ見逃せないリスクがあります。「違和感によるブランド毀損」、学習データの曖昧さが招く「著作権トラブル」、そして「表現の独自性が薄れる」など、企業にとっては無視できない問題ばかりです。
ではどうすればいいのか?「AIを完全に否定する」のではなく、どこで活用し、どこは人に委ねるかを明確に設計することが鍵です。さらに、信頼できるイラストレーターや制作会社を介すことで、著作権を含めた法的な安心感と、ブランドに寄り添う品質を両立させることも可能です。
今回は、緑川さんの投稿から広がる「違和感問題」を起点に、企業が今知っておくべきAIイラスト活用のメリット・リスク、そして“安全で強いクリエイティブ”を実現するための選び方について、私たちSUICHの視点でご紹介していきます。
Google Geminiで出力した画像。ぱっと見は良さそうに見えますが・・・。
SNSでは、生成AIを用いた広告やイラストに対して「AIだとすぐわかる」という声が数多く見られます。典型的な指の本数などの細かいエラーではなく、全体の雰囲気そのものに人工的な印象が漂っている点が指摘されています。
具体的には、次の特徴が人々の違和感を強めています。
物語性の欠如
人間が描く絵には、意図せずとも小さなストーリーが宿ります。例えば、家族で食卓を囲む場面なら、子どもが夢中で食べている姿や、それを見守る親の表情が描かれます。こうした要素の積み重ねが「情景のリアリティ」を生みます。しかしAI生成の絵にはそれが見られず、単にモチーフが配置された「説明的な画像」に留まる傾向があります。意図の不在による均質感
絵を描く人間は、注目させたい部分に強調を置き、不要な情報を省略します。これにより視線の流れや構図のリズムが生まれます。AIは要素を一様に描写するため、画面全体が平板に仕上がり、どこを見ればよいのか分からない構成になりやすいです。感情的な揺らぎの欠落
人間が描いた絵には、線の勢いや塗りの粗さ、作風の個性が必ず現れます。その微細な揺らぎが「描き手の存在」を感じさせ、鑑賞者に感情を呼び起こします。AIの出力は整合性が高く均質である一方、そこに込められた意思や情感が感じられず、空虚さを残します。構図や人物の関係性の不自然さ
複数人の場面では、視線や仕草の関係性が物語を作ります。AIが生成したイラストでは人物同士の目線が噛み合わない、意味のない小物が配置されるといった不整合が起こり、現実感を損ないます。技術的特徴による不自然さ
色彩の階調が均一であることや、画面全体にピントが合っていることも特徴として挙げられます。人間が描くと自然に生じる「塗りの濃淡」や「焦点の強弱」が欠けるため、写真でも絵でもない独特の違和感が残ります。POINT
この違和感は、単なる技術的ミスとは異なります。むしろ生成AIは高精度に対象を描写できるからこそ、人間が自然に持つ「物語性」「感情」「個性」といった要素の不在が際立ち、鑑賞者に「AIらしさ」を強く印象づけています。
生成AIは「不自然さ」や「AIっぽさ」が話題になる一方で、正しく活用すれば人の手では難しい価値を生み出すことができます。特に広告やSNS運用、商品企画の現場では、スピード感・コスト削減・発想の幅の広がりといったメリットから導入が進んでいます。人の感性を置き換えるものではなく、むしろ人間が担う創造性を補助し、効率的に成果物を生み出す「共創のツール」としての役割が大きいのです。
従来はイラストレーターやカメラマンに依頼し、修正を重ねる必要がありました。AIであれば短時間で何十枚ものバリエーションを生成でき、企画段階から最終イメージを共有するスピードが大幅に向上します。特にSNS運用やキャンペーンで「毎日の投稿に画像が必要」という場面では、圧倒的なコスト削減につながります。
AIの生成物は必ずしも完成度が高いとは限りませんが、思いがけない構図やモチーフを提案してくれることがあります。人間がゼロから考えると浮かばない発想のきっかけになり、結果的にクリエイター自身の創造性を広げるツールとなります。
現実には撮影や制作が難しい題材(未来都市、ファンタジー世界、特定の状況を再現したシーンなど)も、AIであれば自由に描き出せます。小規模事業者やスタートアップでも、制約なくハイレベルなビジュアルを用意できる点は大きな強みです。
「服の色を変える」「背景を差し替える」といった調整は、人の手による再制作では時間がかかります。AIはプロンプトや追加指示で柔軟に修正が可能で、即座に複数パターンを比較できるため、制作工程全体が効率化されます。
将来的には、閲覧者の属性や行動データをもとに「好みや関心に合わせたビジュアル」を自動生成する仕組みも現実的です。広告やECサイトの領域では、一人ひとりにパーソナライズした画像を届ける手段として注目されています。
POINT
AIイラストは「違和感」ばかりが注目されがちですが、その裏には実務的にも心理的にも魅力的な価値が存在します。重要なのは、これらのメリットを理解し、目的や文脈に合わせてうまく使いこなすことです。
AIイラストは便利ですが、ただ生成したものをそのまま使うのではなく、目的や利用シーンに応じて工夫することが重要です。活用の仕方ひとつで「安っぽく見える」か「洗練された成果物になる」かが大きく変わります。ここでは効果的に活用するためのポイントを整理します。
AIで出力されたものをそのまま採用するのではなく、ラフスケッチやアイデア出しの段階で使うと効果的です。イメージの共有や方向性の確認に役立ち、制作の初期コストを大幅に下げられます。
AIの出力は完璧ではありません。構図やディテールの不自然さを残したまま公開すれば、ユーザーから「AIっぽさ」がすぐに見抜かれ、ブランド価値を損なう可能性もあります。デザイナーや編集者が最後に手を加えることで、プロの品質を保ちながらAIの効率性を取り込むことができます。
ターゲット層がAIイラストに抵抗を持つのか、それとも「新しさ」として好意的に受け止めるのかは大きな分かれ道です。たとえば若年層向けのSNSでは柔軟に受け入れられやすい一方、信頼性を重視する医療・金融といった分野では慎重に判断すべきです。相手の心理を考えた使い分けが欠かせません。
単に「いい画像が出た」で終わらせず、どのような指示で成果物が得られたのかを記録することで、社内にノウハウやテンプレートを蓄積できます。継続的な利用により品質も安定し、再現性のある活用が可能になります。
AIには著作権のグレーゾーンや、データ流出のリスクも存在します。無防備に利用するのではなく、「どこまでなら安心か」をあらかじめ線引きすることが、安心して活用を広げるための前提条件です。
つまりAIイラストを効果的に使うには、
といった工夫が欠かせません。
POINT
こうしたポイントを押さえることで、AIイラストは単なる「コスト削減ツール」ではなく、人の創造性を拡張する武器へと変わります。ただし、企業利用においては別の大きな課題も存在します。それが次に解説する「デメリット」です。
AIイラストは効率化や低コスト化に貢献しますが、企業の立場で考えると見過ごせないデメリットも存在します。特に「消費者の信頼」と「ブランドイメージ」に直結する部分は大きなリスク要因となります。
AIイラストは一見きれいでも、手や指の形、背景の整合性、表情のバランスなどに微妙な不自然さが残ることがあります。一般ユーザーはその違和感を直感的に感じ取り、「なんとなく嘘っぽい」「雑に作られている」と受け止めることがあります。こうした印象は、企業が発信する情報やサービスそのものへの信頼低下につながります。
SNSでは「AIイラストを使っている」こと自体が炎上の火種になる場合があります。たとえば、「人件費を削減してAIに置き換えたのでは?」と批判されたり、特定のモチーフが既存作品に似ていると指摘され拡散されたりすることもあります。ユーザー心理としては、“人間のクリエイティブ”に価値を感じている層ほど強く反発する傾向があり、ブランド毀損は一瞬で拡大します。
AIイラストの多くは既存の画像データを学習して生成されています。そのため、「知らないうちに誰かの作品をもとにした画像を利用してしまう」リスクがあります。企業が公開した後に権利侵害を指摘されれば、金銭的な賠償だけでなく、社会的信用の失墜という大きなダメージにつながります。
企業が長年積み上げてきた「安心感」「専門性」「信頼性」といったブランド価値は、視覚表現ひとつで揺らぐことがあります。特に医療・金融・教育といった分野では、わずかな違和感や不自然さが「この会社は信頼できるのか?」という疑念につながります。逆に、ファッションやエンタメのように遊び心が歓迎される業界では受け入れられやすい場合もありますが、使いどころを間違えるとブランドメッセージとの齟齬が生じます。
AI活用は新しい技術であるがゆえに、社員やステークホルダーの中には「倫理的にどうなのか?」という疑問を抱く人も少なくありません。社内で十分に議論しないまま導入すれば、従業員のモチベーション低下や、取引先からの不信感にもつながりかねません。
POINT
企業にとっての問題は、単に「画像のクオリティが低いかどうか」ではありません。むしろ、人々がそれをどう感じ、どのように受け止めるかが最も大きなリスク要因となります。
こうしたリスクを十分に理解した上で、次のステップでは「では安全に活用するにはどうすればいいのか?」を考えることが重要です。
AIイラストのメリットは大きい一方、先ほど説明したように企業にとっては「違和感」「著作権リスク」「ブランド毀損」などの課題も存在します。これらのリスクを避け、かつクオリティを担保する方法のひとつが、正規のイラストレーターに依頼することです。
正規のイラストレーターに依頼する最大のメリットは、まず権利関係の明確さにあります。AI生成のイラストは学習データや著作権のグレーゾーンが残るため、企業が公開や配布する際に法的リスクが伴うことがあります。しかし正規契約を結ぶことで、使用範囲や著作権の扱いが明確になり、安心して制作物を利用することが可能です。
また、人間が描くイラストは単なるモチーフの集合ではなく、構図や視線、表情などに自然と意図や感情が宿ります。例えば、家族や顧客の心理を考慮したシーンの表現、ブランドメッセージに沿った演出など、細部にまで意図が反映されることで、作品全体に説得力と物語性が生まれます。この点はAIでは再現が難しく、見る人に安心感や共感を与える重要な要素です。
さらに、正規のクリエイターを選ぶことで技術力や作風の安定性も保証されます。経験豊富なイラストレーターは、企業の要望やターゲットに応じた仕上がりを提供でき、納期や修正対応も契約で明確化されているため、安心してプロジェクトを進めることができます。
POINT
結果として、正規のイラストレーターに依頼することは、法的安全性だけでなく、表現力や品質面においても企業にとって大きな価値をもたらす手段となるのです。
正規のイラストレーターに依頼する際も、誰でも安心して任せられるわけではありません。安全に選ぶためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
まずは実績の確認です。過去のポートフォリオやクライアント事例をチェックし、依頼する内容に近い作品経験があるかどうかを見極めることで、仕上がりの安定性をある程度予測できます。
次に、契約内容の明確化も欠かせません。著作権の譲渡範囲や修正対応、納品形式などを事前に文書で取り決めることで、後々のトラブルや認識のずれを防ぐことができます。
さらに、価格の透明性も重要です。安さだけを優先すると、経験不足や違法性のリスクが伴い、結果的に企業にとって大きな問題になる可能性があります。適正価格で契約することは、クオリティと安全性を確保するための前提条件です。
加えて、対応力やコミュニケーション能力も選定基準に入れるべきです。修正依頼やイメージの共有がスムーズにできるか、制作過程で適切に相談できるかは、完成度や納期に直結します。これらのポイントを総合的に考慮することで、企業は単に「絵が上手な人」を選ぶのではなく、安心して依頼できるクリエイターを見極めることができ、品質と安全性を両立させた制作が可能になります。
POINT
企業はAIや安価なイラストに頼るだけでなく、誰に依頼するかを戦略的に選ぶことでブランド価値を守ることができます。
企業がイラストを外注する際、どうしても目が行きがちなのが「コスト」です。少しでも安く依頼できれば予算を他に回せるという考えは自然です。しかし、安さだけを基準に選ぶと、思わぬリスクが潜んでいます。例えば、制作経験が浅いクリエイターや契約の曖昧な依頼先では、著作権の扱いが不明確なままイラストを納品される可能性があります。後から「実は他人の作品を参考にしていた」「無断でトレースされていた」といった問題が発覚すると、法的リスクはもちろん、企業のブランドイメージにも大きなダメージが及びます。
また、制作の品質や意図の反映という点でも注意が必要です。安価なイラストは、完成度や構図のバランスが十分でないことがあり、見る人に「雑に作られている」「意図が感じられない」といった印象を与えてしまいます。特に広告やSNS投稿では、ユーザーは無意識のうちに違和感を感じ、それが企業の信頼度に影響することも少なくありません。さらに、安さを優先することで修正対応やコミュニケーションが不十分になる場合もあります。納期が遅れる、意図通りの調整ができない、といった事態は、プロジェクト全体のスムーズな進行を阻害してしまいます。
こうしたリスクを避けながら、安心してクオリティの高いイラストを手に入れるためには、単に個人に直接依頼するだけでなく、制作会社を通す選択肢も検討する価値があります。制作会社を通せば、クリエイターの選定から契約、進行管理までをまとめてサポートしてくれるため、品質と安全性を両立しながら制作を進めることが可能です。次の章では、まさにこの「制作会社を通すことで得られる安心」について詳しく解説していきます。
イラスト制作を企業が外注する際、「個人のクリエイターに直接依頼すれば安く済む」と考えることもあります。しかし、納期管理や修正対応、著作権確認など、すべて自社で対応するのは意外と大きな負担です。ミスや遅延が発生すれば、プロジェクト全体に影響が及び、ブランド価値にも影響しかねません。
ここで頼りになるのが制作会社です。制作会社を通すことで、企業は安心してクリエイティブ制作を任せられる環境を得ることができます。具体的には、以下のメリットがあります。
適切なクリエイターの選定
経験豊富で企業の意図やターゲットに沿った表現ができるイラストレーターを選定します。品質と納期の両立
制作進行や修正対応を一括管理することで、完成度の高い作品をスケジュール通りに受け取れます。権利や契約の安心
著作権や利用範囲、修正対応などを明確に契約に盛り込み、後のトラブルを防ぎます。コミュニケーションのスムーズ化
企業の意図を制作側に正確に伝え、修正や調整も迅速に行えます。こうした体制を通じて、制作会社は単なる「作業の外注」ではなく、“安心を買う”ことを可能にします。企業は本来の業務に集中できるだけでなく、ブランド価値を損なわずに高品質なビジュアルを手に入れることができます。
POINT
私たちスイッチでは、企業の目的やターゲットに合わせてクリエイターを選定し、契約・進行管理まで一貫してサポートしています。AIによる効率化が進む時代だからこそ、信頼できるパートナーを通すことが、企業のクリエイティブ戦略を確実に強化する方法です。
生成AIの導入で、イラスト制作はスピードやコスト面で大きなメリットを得られます。しかし、SNS上での「AIっぽさ」に対する違和感や著作権リスク、ブランド毀損など、企業が無視できない課題も存在します。
だからこそ重要になるのが、「誰に依頼するか」を戦略的に選ぶ視点です。安さや手軽さだけで選ぶと、品質や意図の反映、法的リスクなどで問題が生じる可能性があります。一方で、正規のイラストレーターや制作会社を通すことで、次の価値を手にできます。
つまり、AIはあくまでツールであり、人間の意図や物語性を補完する存在です。適切な依頼先を選ぶことこそが、AI時代における企業の最大の強みとなります。信頼できるパートナーを介して制作することで、ブランド価値を守りながら、質の高いクリエイティブを実現できるのです。
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この記事を書いたスタッフ
SUICH WEBデザイナー
KURIBAYASHI
2021年10月に2人目のWEBデザイナーとして入社。
前職は同様にHP制作会社で、デザイナーながらWEBならではの戦略やSEO対策などに意欲的で、のべ500件ほど、幅広いクライアント様を担当致しました。特に集客特化であるランディングページを得意としています。