埼玉のホームページ制作会社は
デザインとSEOの専門家集団 株式会社スイッチ

価格競争だけでは終わらせない。「手軽軸」戦略を武器にする企業の条件

“うちの強みって、どこなんだろう?”

多くの企業が抱えるこの問いに、すぐ答えられる経営者はそう多くありません。価格で勝負するのか、品質で勝負するのか、それともお客様との関係性で勝負するのか。

競争が激化する今、「どの軸で差別化を図るか」は、企業経営の根幹を左右する重要なテーマです。

その中でも特に取り組みやすく、即効性が高いのが「手軽軸」

他社よりも“早く・安く・便利に”サービスを提供し、お客様の「時間の価値」に応えることで選ばれる戦略です。

一方で、「手軽さ」だけを追い求めると、 すぐに価格競争に巻き込まれてしまうという落とし穴もあります。

では、どうすれば“安さではなく、便利さで選ばれる企業”になれるのでしょうか。 本記事では、「経営における3つの差別化戦略」のひとつである 『手軽軸』の実践術について、成功事例とともに詳しく解説していきます。

3つの差別化軸とは

前回のブログでもご紹介いたしましたが、経営における差別化軸は大きく分けて3つに分かれています。

1)手軽軸:他社よりも「早い、安い、便利」で差別化する

2)商品軸:他社よりも「高品質、最新技術」で差別化する

3)密着軸:他社よりも「個別ニーズに応える」ことで差別化する

3つの差別化戦略

自社の経営方針を見直すだけでなく、今後の対策として、社員の方針を統一させるため非常に重要なカギとなります。

この3つの差別化軸の中で、今回は手軽軸について詳しく解説していきます。

関連記事

経営における「手軽軸」戦略とは?

「手軽軸」とは、経営における差別化戦略のひとつで、他社よりも“早い・安い・便利”であることによって選ばれる仕組みをつくる考え方です。

たとえば次のような業態が典型です。

  • 駅前の10分1,000円カット
  • ワンコインで食べられる牛丼チェーン
  • 注文から最短当日発送のECショップ
  • 24時間対応の無人フィットネスジム

いずれも共通しているのは「スピードと利便性が価値になっている」という点です。

お客様が求めるのは「特別な体験」よりも、「早く・安く・手間なく済ませられること」。 そこに焦点を合わせることで、多くの顧客を獲得し、安定的な利益を確保しているのが手軽軸型ビジネスの特徴です。

なぜ“手軽さ”が強力な差別化要因になるのか?

私たちが暮らす現代社会では、「時間」はもはや通貨のような価値を持っています。 仕事、家事、子育て、移動…多忙な生活の中で、“早く済ませたい”“簡単にしたい”というニーズは増える一方です。

つまり、手軽軸とは
「時間価値を提供する戦略」ともいえます。

顧客は「安さ」ではなく「時間の節約」にお金を払っている

例えば、駅前のカットサロン「QBハウス」では、1回10分・1,200円という低価格設定ですが、実際の価値は“安さ”だけではありません。 予約不要・駅構内・短時間という「利便性の高さ」にお金を払う人がほとんどです。 「今すぐ切りたい」「仕事の合間に行ける」「並ばず済む」——この“時間の節約”が最大の魅力なのです。

POINT

このように、「早い・安い・便利」は価格競争ではなく、時間価値の提供であるという視点を持つことが、手軽軸を正しく機能させる第一歩です。

手軽軸を支える3つの経営構造

手軽軸を実践するためには、「利便性を生み出す仕組み」を経営に組み込む必要があります。 ここではその柱となる3つの構造を紹介します。

1. 業務の標準化(マニュアル化・オペレーション整備)

手軽軸では「誰がやっても同じ品質・スピードで提供できる体制」が欠かせません。 飲食チェーンを例にとると、厨房マニュアル・調理工程・発注ルールなどが細かく決められています。 これにより、アルバイトや新人でも短期間で同等のサービスが提供できるようになります。

POINT

マニュアル化は単なる効率化ではなく、「サービスの再現性」を高めるための戦略です。 標準化によって“早い・安い・便利”を安定して提供できる体制を築きます。

2. 集中化と規模の経済(中央集権型組織)

手軽軸ビジネスでは、「大量生産・大量販売」を前提とした組織体制が強みになります。仕入れや調達を本部で一括管理することでコストを圧縮し、商品・サービスをスケールさせて「薄利多売」を成立させます。

POINT

コンビニエンスストアがこの好例で、全国の店舗で共通の仕入れ網を活かすことで、安定した価格と品質を実現。 さらにデータ分析により、地域ごとの売れ筋を最適化し、利益率を確保しています。

3. 顧客導線の最適化(アクセスと体験設計)

手軽軸の真髄は「顧客が手間を感じないこと」です。そのためには、“行きやすさ”と“使いやすさ”の設計が不可欠です。

  • 駅前・大通り沿い・商業施設内などの立地戦略
  • スマホ1つで完結する予約・決済システム
  • 「面倒くさくない」UI設計やUXデザイン

POINT

いくら安くても、場所が不便だったり、操作が複雑だったりすれば“手軽”とは言えません。 立地や導線、デジタル体験まで含めた全体最適が、手軽軸経営を支えます。

手軽軸の成功事例

10分カット「QBハウス」

“早い・安い・安心”を徹底的に追求した代表例。 カットに集中するためシャンプーや会話を省略し、顧客1人あたりの時間を10分に固定。マニュアル化とオペレーション効率化で、安定した品質と高速回転を両立しています。 一見「格安サービス」ですが、顧客の求める“スピード価値”を最大化した結果、国内外に600店舗以上を展開しています。

牛丼チェーン「吉野家」

明確なコンセプト「うまい、やすい、はやい」で全国展開。 このシンプルなメッセージこそ、手軽軸の原点とも言える存在です。 味のブレをなくすためにセントラルキッチンを導入し、どの店でも同じ品質を提供。業務効率と顧客満足を同時に成立させています。

無印良品の「ネット注文・店舗受け取り」

ECと店舗を連携させ、オンライン注文→店舗受け取りを実現。 配送を待たずに受け取れる“便利さ”が購買体験の満足度を上げています。“利便性”をデジタルで拡張した手軽軸の好例です。

手軽軸の「落とし穴」

一方で、手軽軸にはリスクもあります。それは「価格競争に巻き込まれる構造的リスク」です。

「うちの強みは安さです!」という企業は、一見わかりやすいですが、もっと安く、もっと便利な競合が現れた瞬間に顧客が離れてしまいます。

つまり、 “価格で選ばれた顧客は、価格で離れる”のです。

また、効率を追求しすぎるあまり、

  • 現場の疲弊
  • 顧客体験の劣化
  • サービスの均一化による飽き

といった副作用も起こり得ます。

手軽軸を「安さ競争」で終わらせないために

手軽軸を長期的に成立させるためには、“安さ以外の手軽さ”をデザインすることがポイントになります。

1.「便利さ」で勝つ

予約不要、キャッシュレス対応、LINE連携など“手間を減らす”仕組みを提供

例)「早い」「楽」が価値であり、価格以上の満足をつくる

2.「安心感」で勝つ

清潔・安全・信頼など、“誰でも利用しやすい”体験を整える

例)利便性の裏にある「安定品質」をブランドの軸に据える

3.「近さ」で勝つ

地域密着型店舗でも、“生活導線の中にある便利さ”を打ち出す

例)「あそこならすぐできる」「頼みやすい」という心理的距離の近さを育てる

どんな企業が「手軽軸」と相性が良いか?

  • 多店舗展開を目指す小売・飲食業
  • サービスを定型化しやすい業種(美容、医療、フィットネスなど)
  • デジタル化で効率化できる業種(EC、予約サービス、印刷・制作など)

一方で、職人技やコンサルティングなど「人の関与度が高い業種」では、手軽軸よりも「商品軸」「密着軸」が有効です。

POINT

ただし、受付対応・見積り・予約などの“入り口部分”だけを手軽軸で効率化することは、どんな業種にも応用できます。

スイッチが考える「手軽軸×WEB戦略」

WEBの世界でも「手軽軸」は強力な武器です。

たとえば、

  • 問い合わせフォームを最短で送信できる設計
  • スマホで読みやすく、迷わない導線設計
  • 更新しやすいCMS設計

これらはすべて「利便性をデザインする」取り組みです。

つまり、WEB制作も「手軽軸経営」の一部。 スイッチでは、企業が顧客に“使いやすさ”を届けられるよう、UX/UI設計・運用体制・デジタル導線の最適化までを総合的にサポートしています。

まとめ:「手軽軸」は“効率の戦略”、ではなく“体験の戦略”

手軽軸は「効率化の戦略」と思われがちですが、本質は「顧客が感じる“手間のなさ”をデザインする戦略」です。

スピードや価格だけでなく、行きやすい・話が早い・迷わない・煩わしくない といった体験全体を整えることが、手軽軸を持続させる鍵になります。

価格を下げるのではなく、「便利さ」を上げる。それが、“安さではなく手軽さで選ばれる企業”への第一歩です。

スイッチができること

ここまで 他社よりも“早く・安く・便利に”の手軽軸をご紹介しましたが、もしかしたら私たちは向かないかもしれません。

ここまで話しておきながら、「えっ!?」と驚く方も多いと思いますが、私たちスイッチは、単にホームページを“作る”ことを目的としておらず、制作やデザインは、あくまで目標を達成するための手段であり、「企業を選ばれる存在にする」ための戦略のひとつに過ぎません。

私たちはまず、業界を徹底的に分析します。競合他社はどんな発信をしているのか、業界の“基準値”はどこにあるのか。

そしてその上で、同じことをやっていても意味がないという前提から、「どうすればその基準を超え、勝ち残れるか」を設計します。

  • 顧客導線を最適化したWEB設計
  • ブランドの“便利さ”を可視化するデザイン
  • 業務効率とUXを両立するサイト運用支援

その提案は、ときに“やや過剰”に感じられ、手軽軸の基本である「安い・便利(手軽)」とは真逆の考え方にあります。

しかしそれは、私たちが「成果を出すために本当に必要なこと」を真剣に考えているからです。 予算だけを優先する方には、もしかしたら私たちは向かないかもしれません。

けれども、明確な目的があり、「本当に効果のある方法で成果を出したい」と思う方にとって、私たちは必ず力になれると自負しています。

もちろん、事前にご予算をお伝えいただければ、その範囲内で最適な提案を行うことも可能です。

「どこをどう効率化すればいいか」

「価格以外の“手軽さ”をどう打ち出せばいいか」

その答えを、一緒に見つけていきませんか。

あなたの企業が“選ばれる理由”を明確にすることが、私たちスイッチの仕事です。

この記事を書いたスタッフ

KURIBAYASHI

SUICH WEBデザイナー

KURIBAYASHI

2021年10月に2人目のWEBデザイナーとして入社。

前職は同様にHP制作会社で、デザイナーながらWEBならではの戦略やSEO対策などに意欲的で、のべ500件ほど、幅広いクライアント様を担当致しました。特に集客特化であるランディングページを得意としています。