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ホームページ制作ガイド
デザイン発注の注意点
Guide

GUIDE 17
ホームページ制作ガイド

認識のずれを防ぎながら、
理想の仕上がりに近づけましょう。

デザイン発注時に注意するべきポイント

ホームページのデザインを外注する際、「思っていたものと違う」「修正を繰り返しているうちに費用が膨らんだ」というトラブルは非常によく起きます。

その多くは、発注の仕方や事前準備の段階で防げるものです。デザイン発注前・発注時・制作中・納品後のそれぞれの場面で注意すべきポイントを整理しましょう。

デスクの画面でWebサイトのデザインを確認している様子

好きと自社に合うは別物だと理解する

デザインを依頼する際、多くの方が参考サイトとして自分が好きなサイトを持参します。しかしここで一度立ち止まって考えてほしいのが、自分の好みのデザインと、自社のターゲットに響くデザインは必ずしも一致しないという点です。

たとえば、60代の患者が主な顧客層の整形外科の院長がスタイリッシュでモノクロのデザインが好きという理由でそのデザインを選んだとしても、来院してほしい患者層には「冷たい」「情報が少ない」「読みにくい」と映る可能性があります。

参考サイトを用意する際は自分が好きかどうかだけでなく、自社のターゲットが見たときにどう感じるかという視点を必ず加えましょう。

参考サイトは良い例と悪い例の両方を用意する

こういうデザインにしたいという参考サイトに加えて、こういうデザインにはしたくないという反面教師となるサイトも3件程度用意しておきましょう。

制作者にとって、避けるべき方向性がわかることは、目指すべき方向性がわかることと同じくらい重要な情報です。以下のような条件を参考サイトとセットで伝えることで、制作者との認識のズレが大幅に減ります。

  • 派手な色は使いたくない
  • アニメーションは最小限にしたい
  • 文字は小さくしたくない

デザインより先にコンテンツの方向性を固める

デザインは、情報を見やすく・伝わりやすく整理するための器です。器の形は、中身が決まってから設計するものです。

掲載するページ・掲載する情報・ターゲット・サイトの目的がある程度固まっていない段階でデザインだけを先行させると、後から「やっぱりこのページを追加したい」「この情報を前面に出したい」という変更が発生し、デザインをゼロから作り直すような修正につながります。デザイン発注の前に、少なくとも以下は決めておきましょう。

  • サイトの目的とターゲット
  • ページ構成(どんなページが必要か)
  • 各ページに掲載する主な情報の概要
  • ロゴや写真など既存のビジュアル素材の有無

予算の上限を先に決めておく

いくらかかりますか?と聞いてから予算を考えようとすると、制作会社は提案の幅が定まらず、最初から高めの見積もりを出さざるを得ない状況になります。

先にデザイン費用として〇〇万円の予算を想定していると伝えることで、その予算内での最善の提案を受けやすくなります。予算を伝えることを恥ずかしがる必要はなく、むしろ伝えた方が双方にとってスムーズに進みます。

修正回数と修正範囲を契約前に確認する

デザイン制作で最もトラブルが起きやすいのが修正に関するルールの曖昧さです。制作会社によって修正の定義は異なるため、修正は何度でも対応しますという言葉を鵜呑みにせず、必ず契約前に以下の認識のすり合わせを行いましょう。

  • 修正は何回まで無料か
  • 1回の修正で変更できる範囲はどこまでか
  • 方向性を大きく変える場合は別途費用が発生するか
  • デザインを確認してからテキストを大幅に変更した場合はどう扱うか

注意点

口頭での確認だけで進めると、後から「それは修正の範囲外です」「追加料金になります」というトラブルになりやすいです。すり合わせた内容は、メールや契約書など形に残るかたちにしておきましょう。

デザインの納品データ形式を確認する

完成したデザインデータをどの形式で納品してもらえるかは、後々の運用に大きく影響します。確認すべき主な項目は以下の通りです。

  • ソースデータ(編集可能なデータ)を渡してもらえるかFigmaやAdobe XDなどのデータが手元にないと、将来別の会社に修正を依頼する際に一から作り直しになる
  • 画像データの解像度・形式は何かWeb用に最適化されているか、印刷物にも使える解像度か
  • フォントのライセンスは問題ないか使用フォントによっては商用利用に別途ライセンス費用がかかる場合がある

特にソースデータの受け渡しは、制作会社によって対応が異なります。データは渡せないという会社は多く、同じデザインを流用したい場合は、その会社以外に修正を頼めなくなります。最初から確認しておきましょう。

著作権の帰属を確認する

制作会社が作ったデザインの著作権が、納品後に誰のものになるかを必ず確認してください。

契約内容によっては、納品後も著作権が制作会社側に残るケースがあります。この場合、作ってもらったデザインを自由に使えない・改変できないという状況が生まれることがあります。納品をもって著作権は発注者に移譲されるという内容が契約書に明記されているかを確認しましょう。

制作会社が使用するフォント・素材の出所を確認する

デザインに使用するフォントや画像素材が、商用利用可能なものかどうかを確認しましょう。

無料で使えるように見えても、商用利用には別途ライセンスが必要なフォントや素材が存在します。制作会社がこれを見落とした場合、完成したサイトに著作権上の問題が発生することがあります。使用している素材・フォントはすべて商用利用可能なものかを一度確認しておくことで、後からのトラブルを防げます。

AI生成物(画像・イラスト等)の利用有無と安全性を確認する

近年、制作過程でAI(人工知能)が活用されるケースが増えていますが、AI生成画像には学習データに他者の著作物が無断で含まれている可能性という特有のリスクが存在します。

権利侵害のリスクを徹底的に排除する

AI生成物は、意図せず既存の著作権を侵害してしまうリスクを完全には拭えません。企業にとって著作権の遵守は、単に発覚しなければ良いという問題ではなく、社会的な信頼に関わる最優先事項です。万が一侵害が発覚した場合、法的な責任はもちろん、ブランドイメージの失墜という取り返しのつかないダメージを受けることになります。

制作会社のAI運用ポリシーを確認する

発注時に「制作過程でAIを使用しているか」「使用している場合、権利関係がクリアであることをどう保証しているか」を必ず確認してください。

契約書での保証を明確にする

納品物が第三者の著作権その他の権利を侵害していないことを制作会社が保証(表明保証)する条項が契約に含まれているかを確認しましょう。

チェックポイント

制作会社に対しAI生成物をそのまま納品物として使用していないか、または商用利用および権利保証が確立されたクリーンなAIツールを使用しているかを明確に問い、不透明な回答がある場合は採用を見送る検討も必要です。

なんとなく違うを言語化する努力をする

デザインの確認(フィードバック)を求められたとき、なんかイメージと違うという感覚だけを伝えてしまうと、制作者は何をどう直せばいいかわかりません。

  • どこが気になるのか(全体の雰囲気か・特定の箇所か)
  • 何が違うのか(色か・文字の大きさか・写真の印象か・余白か)
  • どう変えてほしいのか(もっと明るくしたい・フォントを大きくしたい・写真を変えたいなど)

この3点をセットで伝えることで、制作者は具体的に動けます。違和感の言語化が難しい場合は、修正後のイメージに近いサイトや画像を参考として添えるだけでも大きく伝わり方が変わります。

確認は一人ではなく必要な関係者全員で行う

デザインの確認を一人で行い、OKを出した後に別の担当者や上司からやり直してという指示が入るケースは非常に多いです。

これは依頼者側の確認フローの問題であり、制作会社側には責任がありません。関係者全員の承認が必要な場合は、最初の確認の段階で全員に見てもらいましょう。後からのやっぱり変更したいという申し出は、追加費用が発生する可能性が高い修正になります。

フィードバックはまとめて伝える

デザインの修正依頼は、気づいたたびに小出しにするのではなく、一度まとめて伝えることを習慣にしましょう。

「まずここを直してください」→(修正後)「次にここも直してください」という繰り返しは、制作者の作業効率を大きく下げます。制作会社によっては1回の修正指示でカウントされるため、小出しにすることで修正回数を消費してしまう場合もあります。

デザインを確認したら、気になる点を全部書き出してからまとめて送る癖をつけましょう。

テキスト(文章)の変更はデザインを崩す可能性がある

デザインが完成したから、文章をもう少し変えたいという修正は、思った以上にデザインに影響します。

文章の量が変わると、それに合わせてデザインのレイアウト・余白・フォントサイズを調整し直す必要が生まれることがあります。特に「文章を大幅に増やしたい」「キャッチコピーをまるごと変えたい」という変更は、デザインの作り直しに近い工数が発生することも珍しくありません。

テキストはデザイン確認の前に、できる限り最終に近い状態にしておきましょう。

実際のデバイスで必ず確認する

デザインの最終確認は、パソコンだけでなく、スマートフォンでも必ず行いましょう。

デザインツール上では問題なく見えていても、実際のブラウザやスマートフォンで表示させると、文字が見切れている・ボタンが押しにくいサイズになっている・写真の比率が崩れているといった問題が起きることがあります。

自分が普段使っているデバイスだけでなく、ターゲット層が使いそうなデバイス(たとえば60代がターゲットなら大きめの画面のスマートフォンやiPad)でも確認することが理想的です。

表示速度を確認する

デザインが美しくても、ページの表示に時間がかかりすぎると、訪問者はすぐに離脱します。特に画像を多く使ったサイトは、画像の容量が大きすぎて表示が遅くなるケースがあります。

Googleが提供するPageSpeed Insights(無料)というツールでURLを入力するだけで、表示速度のスコアと改善点を確認できます。スマートフォンでの表示速度が特に重要で、スコアが50を下回る場合は制作会社に改善を依頼しましょう。

PageSpeed Insights Googleが無料で提供する表示速度チェックツール。URLを入力するだけで、スマートフォン・パソコンそれぞれのスコアと改善点を確認できます。 pagespeed.web.dev

公開後の修正対応期間を確認する

公開後に実際に使ってみたら気になる部分が出てきたというケースはよくあります。多くの制作会社では公開後一定期間(1ヶ月程度)は無償で修正対応してくれますが、この期間と範囲は会社によって異なります。

契約書または納品時の書類に、公開後の対応期間と対応範囲が明記されているかを確認しておきましょう。

デザインの発注を進める前に、以下の3つを自分に問いかけてみましょう。

  • 「このデザインを見てほしい人は誰か」を言えるか

    ターゲットが曖昧なまま発注すると、デザインの方向性も曖昧になります。30〜40代の女性という大まかな設定でも、子育て中で時間がない30代の主婦と具体化するだけで、制作者の提案の精度が上がります。

  • 「このサイトで訪問者に何をしてほしいか」を言えるか

    問い合わせ・予約・来店・購入など、訪問者に最終的にとってほしいアクションが一つ決まっていると、そのアクションへの導線をデザインの中心に据えた設計ができます。

  • 「なぜ今のデザインでは不十分なのか」を言えるか

    新規制作の場合はこの問いは不要ですが、リニューアルの場合は現状の何が問題で、どう変えたいのかを言語化しておくことで、制作会社への依頼がより具体的になります。

最後に、発注時に多くの方が見落としがちな視点として、デザインは公開した瞬間から育てるものであるという点を伝えておきます。

公開後にアクセス解析を見ていると、「このページで多くの人が離脱している」「このボタンはほとんど押されていない」という結果が出てきます。こうしたデータをもとに、デザインや導線を少しずつ改善していくことで、サイトの成果は時間とともに高まっていきます。

完成したら終わりという意識ではなく、公開がスタートラインという感覚でデザインと向き合うことが、長期的な成果につながります。

要件整理チェックシート

発注前の要件整理には、当てはまる項目にチェックを入れていくだけで現状と要望がまとまるチェックシートをご用意しています。整理した内容は、そのままお問い合わせとして送信できます。

デザインの発注に不安がある方・過去にトラブルを経験したことがある方は、弊社への相談の際にその経緯をそのままお話しいただければ、同じ問題が起きないよう制作の進め方を設計します。初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にお声がけください。