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ホームページ制作ガイド
テンプレートの見極め
Guide

GUIDE 11
ホームページ制作ガイド

安さと速さだけで決める前に、
知っておきたい判断材料です。

テンプレート活用のメリットとデメリット

「テンプレートを使えば安く作れる」という話を聞いたことがある方は多いと思います。実際にテンプレートはコストと時間を大幅に削減できる有効な手段です。一方で、見落とされがちな落とし穴もあります。

テンプレートの本質的なメリットとデメリットを整理した上で、どんな場合に向いていて、どんな場合に向いていないかを判断し、どちらが自社にマッチしているかを選択しましょう。

テンプレートのレイアウト案が並ぶワイヤーフレーム

ホームページのテンプレートとは、デザインのレイアウト・配色・フォント・ページ構成があらかじめ設計された型のことです。この型に自社の写真・文章・ロゴを流し込むことで、ゼロからデザインを作らなくてもホームページが完成します。

テンプレートを提供するサービスには、WordPressのテーマ・Wixのデザインテンプレート・STUDIOのテンプレートなどがあり、無料から数万円程度で利用できるものが多くあります。制作会社も、フルオーダーのデザインではなくテンプレートをベースにした制作プランを提供しているケースがあります。

テンプレートを選ぶことは、特に早く、安く、手堅く立ち上げたいという場合には非常に有効な選択肢です。

  • 費用を抑えて、浮いたお金を他の重要なことに回せる

    一からオリジナルのデザインを作るフルオーダーの場合、白紙の状態から考え始めるため、デザイン費だけで数十万円になることも珍しくありません。テンプレートを使えば、このゼロから作る手間を省くことができます。

    • 初期費用をぐっと下げられる制作会社に依頼する場合でも、テンプレートをベースにしたプランなら、フルオーダーの半分以下の費用で済むケースがほとんど
    • 写真や文章を充実させられる浮いた費用を、プロカメラマンの撮影・プロのライティング・広告出稿などに回せる。見た目の枠組みよりも中身の情報を優先したい時期には賢いお金の使い方
  • 公開までの時間が短く、ビジネスチャンスを逃さない

    ホームページを公開するタイミングは、ビジネスの成功に大きく関わります。テンプレートはすでに形ができあがっているため、完成までの時間を大幅に短縮できます。

    • とにかく早くスタートできるフルオーダーで2〜3ヶ月かかる内容でも、テンプレートなら1ヶ月以内で公開できることがよくある。「新商品の発売日に間に合わせたい」「急なキャンペーンが決まった」という時でもすぐ準備が整う
    • まずはやってみて、後から改善できる最初から完璧を目指して数ヶ月かけるより、素早く公開してお客さんの反応を見ながら中身を整えていくまず一歩踏み出す進め方がしやすい
  • プロが作った使いやすさを最初から手に入れられる

    プロのデザイナーが作成したテンプレートは、単に見た目がきれいなだけでなく、読みやすさや操作のしやすさも考え抜かれています。

    • スマホで見てもきれいで使いやすい文字の大きさ・ボタンの配置・スマホでの見え方など、使う人が迷わないための工夫が最初から組み込まれている。デザインの知識がなくても一定以上のクオリティが保証される
    • 完成した後のイメージが湧きやすい作る前に完成形に近い画面を確認できるため、完成してみたらイメージと違ったという失敗がほとんどない。社内での相談も具体的に進められる
  • 専門知識がなくても、自分たちで更新しやすい

    ホームページは作って終わりではなく、公開した後の更新が大切です。テンプレートは、画像や文章を差し替えるだけで使えるように設計されているため、日々の運用がとても楽になります。

    • 直感的に操作できる難しい知識がなくても、ブログを書くような感覚で写真の入れ替えやお知らせの更新ができ、自分たちの手でサイトを育てていける
    • 困ったときに調べやすい利用者が多いテンプレートなら、操作方法を解説した記事がインターネット上に多数見つかり、自分で調べてすぐ解決できる

他社と見た目が似てしまう

テンプレートの最も根本的なデメリットは、同じテンプレートを使っている他社のサイトと見た目が似てしまうことです。

特に利用者の多い人気テンプレートは、同業他社が同じテンプレートを使っている可能性も十分にあります。配色やロゴが違っても、レイアウトの構造・メニューの場所・写真の配置が同じであれば、訪問者はどこかで見たことがあるという既視感を覚えます。

既視感は印象に残らないと同義です。サイトを見た後にあの会社、なんかよかったなという記憶を残せない場合、差別化ができず、値段で決められてしまうことが多くなりがちです。結果、問い合わせや来店につながりにくくなります。

採用への影響が特に大きく「大手との差別化」を自ら手放すリスク

個性が消えることの悪影響が最も顕著に現れるのが採用です。求職者はホームページを見てこの会社で働きたいかどうかを判断しますが、その判断の多くは、情報の内容だけでなく、デザインから伝わる会社の雰囲気・文化・価値観によって行われます。

デザインが語らないリスク

テンプレートをそのまま使ったサイトは、どの会社にも当てはまる無個性な印象を与えます。「この会社はどんな雰囲気の職場なんだろう」「どんな人が働いているんだろう」という疑問に、デザインが何も答えてくれない状態です。求職者は複数の会社を同時に比較します。その中でなにか印象に残っている会社と普通の会社があれば、エントリーが集まりやすいのは前者です。採用に力を入れたい企業ほど、テンプレートの個性のなさは直接的な機会損失になります。特に以下のようなケースでは、採用における影響が深刻です。

  • 競合他社と給与・待遇の差がそれほど大きくない場合
  • 社風・職場の雰囲気で選ばれやすい職種(保育士・介護士・美容師・サービス業など)
  • 地域の中小企業が大手と採用で競合している場合

同じ条件なら、印象に残った会社を選ぶのが人間の自然な心理です。テンプレートによる制作費の節約が、結果として採用コストの大幅な増大として跳ね返ってくるケースは決して少なくありません。

求人媒体(マイナビ・リクナビ等)の条件比較から抜け出せない

リクナビやマイナビなどの大手求人媒体を併用している場合、テンプレートの使用はさらに深刻なデメリットを生みます。

  • 同じ型の中では、数字でしか比較されない大手求人媒体は、すべての企業が同じフォーマットの中に情報を流し込む。この構造下では、求職者は給与・福利厚生・企業規模といった数字や条件で比較せざるを得ず、知名度や条件で勝る大手企業に人が集まってしまう
  • 自社サイトは型を破る唯一の場所本来、自社サイトは媒体の制約を離れて自社の個性を自由に表現できる場所。もっとこの会社を知りたいと訪れた求職者に媒体と同じようなテンプレートを見せてしまうのは、自らその他大勢の中に埋もれに行くようなもの

ここで働きたいという情緒的価値を奪う

「大手ではないけれど、この会社の雰囲気が好き」「この社長の考えに共感した」という逆転の発想を生むのは、テンプレートではなく、その会社独自の体温が伝わるデザインです。テンプレートに頼ることは、せっかくの個性を出すチャンスを自ら放棄し、再び大手と同じ土俵(条件競争)に引きずり戻されることを意味します。

採用サイトにおけるテンプレート活用は、単なるデザインの手抜きではありません。大手企業との条件競争に負けないための最大の武器(=自社の個性)を自ら封印してしまうことに他ならないのです。

カスタマイズに限界がある

テンプレートは、あらかじめ決められた構造の中でしか変更できない範囲があります。「このセクションを削除したい」「ここに別の要素を追加したい」という要望が、テンプレートの構造上できないケースがあります。

こうした制約に後から気づき、フルオーダーで作り直すことになると、結果的にテンプレートで節約した費用以上のコストがかかることもあります。また、テンプレートを無理にカスタマイズしすぎると、コードが複雑になり、表示速度の低下や将来的なメンテナンスの難易度上昇につながることもあります。

競合他社との差別化が難しい

同業他社が同じテンプレートを使っていた場合、サービスの内容や価格が似ていれば、訪問者にとってどちらを選ぶ理由がなくなります。

差別化はサービスの中身だけでなく、最初に見た印象からすでに始まっています。デザインが他社と似ていることは、比較された瞬間から不利な状況に立たされていることを意味します。

SEOの観点での不利が生じる場合がある

テンプレートによっては、コードの品質が低いものや、表示速度に問題があるものも存在します。Googleはページの表示速度・コードの品質も評価基準の一つとしているため、テンプレートの選択が検索順位に影響するケースがあります。また、同じテンプレートを使った多数のサイトが存在することで、似た構造のサイトとして差別化が難しくなる側面もあります。

テンプレートの中には「SEOに強い」「SEO特化」を謳うものも多く存在しますが、そこには発注前に知っておくべき大きな罠が隠れています。

道具があっても、使い手に知識がなければ無意味

テンプレートがSEOに配慮された設計であっても、それはあくまで土台に過ぎません。適切なキーワード選定、正しいHTML構造(見出しタグの使い分け等)、内部リンクの設計など、SEOの専門知識を持って正しく設定・運用しなければ、そのポテンシャルは10%も発揮されません。SEO特化型を買えば勝手に順位が上がるという誤解が、期待したほどアクセスが伸びないという失敗を招きます。

Googleの進化(アップデート)に置いていかれるリスク

Googleは常に検索アルゴリズムをアップデートしており、評価基準は日々変化しています。

  • メンテナンスの限界テンプレートのコードが最新の評価基準(表示速度の最適化や新しい技術規格)に常に対応し続けられる保証はない
  • 陳腐化制作時は最新でも、1年後には古くて評価されにくい構造になる可能性がある。テンプレートは構造上の制約により、最新のSEO基準に合わせた微調整が難しい

技術的な足かせと独自性の欠如

  • コードの肥大化(表示速度の低下)汎用性を高めるために不要な機能やコードが大量に盛り込まれているテンプレートも少なくない。テンプレート特有の重さが検索順位を押し下げる要因になることがある
  • 「構造の重複」による差別化の難しさ同じテンプレートを使う競合サイトが多数存在すると、Googleから似たような構造の、独自性に欠けるサイトと見なされるリスクがある。構成の型が決まっているテンプレートは、評価の上限にぶつかりやすい

注意点

SEOは一度設定すれば終わりではなく、Googleの変化に合わせた継続的な最適化が必要です。テンプレートという固定された型を選ぶことは、将来的なSEO施策の自由度を奪い、変化の激しい検索市場での競争力を自ら削いでしまう可能性があることを覚悟しなければなりません。

テンプレートが向いているケース

  • 創業間もない・まず公開を優先したい事業を始めたばかりで予算が限られている場合、まずテンプレートで公開し、軌道に乗ってからフルオーダーに移行する段階的なアプローチは合理的な判断
  • 情報発信がメインの用途ブログ・ポートフォリオ・イベント告知など、デザインよりも情報の内容で判断されるサイトは、テンプレートとの相性が比較的良い
  • 視覚的な差別化を必要としない価格・スペック・機能が選ばれる主な基準で、デザインの個性が問われにくい業種(一部のBtoB・専門サービスなど)は、テンプレートで必要最低限の情報を整えるだけで一定の成果が出やすい

テンプレートが向いていないケース

  • 採用に力を入れたい採用においてはデザインから伝わる会社の個性・雰囲気が応募数に直結する。採用ページだけでもフルオーダーにする価値がある
  • 高価格帯のサービスを提供している高額の商品・サービスを扱う場合、サイトのデザイン品質が「この会社に頼んで大丈夫か」という信頼感に直結する。無個性なデザインは高価格帯サービスの価値を下げるリスクがある
  • 競合他社が多く、差別化が必要な業種美容室・飲食店・整骨院・不動産など、同業他社がひしめく業種では、デザインによる第一印象の差別化が集客の鍵。平均的なサイトは競合の中に埋もれやすい
  • ブランドの世界観を大切にしたい自社のブランドに一貫した世界観がある場合、テンプレートの決まった型に押し込めることで、ブランドイメージが損なわれる可能性がある

テンプレート フルオーダー
費用低い(数万〜十数万円程度)高い(数十万〜数百万円)
制作期間短い(数週間〜1ヶ月程度)長い(1〜3ヶ月以上)
デザインの個性低い(他社と似やすい)高い(自社専用の設計)
カスタマイズの自由度制限あり制限なし
採用への効果限定的高い
ブランドの表現力弱い強い
SEOの最適化テンプレート依存自由に設計可能
将来的な拡張性制約が出やすい比較的自由

テンプレートを選んだとしても、カスタマイズ量によって他社との差は生み出せます。テンプレートをそのまま使うことと、テンプレートをベースに丁寧にカスタマイズすることは、見た目の完成度に大きな差があります。具体的には以下の点をカスタマイズするだけで、テンプレートの印象は大きく変わります。

  • 写真の質を上げる自社で撮影した本物の写真・プロカメラマンの写真を使う
  • 配色を自社のブランドカラーに合わせるテンプレートのデフォルトカラーをそのまま使わない
  • フォントを変えるテンプレートのデフォルトフォントを自社のイメージに合ったものに変更する
  • テキストに個性を出す会社名・サービス名・キャッチコピーを自社の言葉で丁寧に書く
  • 不要なセクションを削除する使わないセクションを残したままにしない

テンプレートを使う場合でも、どこまでカスタマイズするかを制作会社と最初に話し合うことが、仕上がりの差を生む重要な判断です。

テンプレートベースで制作するか、フルオーダーにするかで迷っている場合は、以下の3点を確認してみてください。

  • 採用に使いたいか
  • 競合が多い業種か
  • 高単価のサービスか

一つでも当てはまる場合は、少なくとも部分的にフルオーダーを検討する価値があります。

スイッチではテンプレートベースのプランとフルオーダープランの両方をご用意しており、予算と目的に合わせた最適な選択肢をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。