ホームページ制作ガイド
テンプレートの見極めGuide
安さと速さだけで決める前に、
知っておきたい判断材料です。
「テンプレートを使えば安く作れる」という話を聞いたことがある方は多いと思います。実際にテンプレートはコストと時間を大幅に削減できる有効な手段です。一方で、見落とされがちな落とし穴もあります。
テンプレートの本質的なメリットとデメリットを整理した上で、どんな場合に向いていて、どんな場合に向いていないかを判断し、どちらが自社にマッチしているかを選択しましょう。
ホームページのテンプレートとは、デザインのレイアウト・配色・フォント・ページ構成があらかじめ設計された型のことです。この型に自社の写真・文章・ロゴを流し込むことで、ゼロからデザインを作らなくてもホームページが完成します。
テンプレートを提供するサービスには、WordPressのテーマ・Wixのデザインテンプレート・STUDIOのテンプレートなどがあり、無料から数万円程度で利用できるものが多くあります。制作会社も、フルオーダーのデザインではなくテンプレートをベースにした制作プランを提供しているケースがあります。
テンプレートを選ぶことは、特に早く、安く、手堅く立ち上げたいという場合には非常に有効な選択肢です。
費用を抑えて、浮いたお金を他の重要なことに回せる
一からオリジナルのデザインを作るフルオーダーの場合、白紙の状態から考え始めるため、デザイン費だけで数十万円になることも珍しくありません。テンプレートを使えば、このゼロから作る手間を省くことができます。
公開までの時間が短く、ビジネスチャンスを逃さない
ホームページを公開するタイミングは、ビジネスの成功に大きく関わります。テンプレートはすでに形ができあがっているため、完成までの時間を大幅に短縮できます。
プロが作った使いやすさを最初から手に入れられる
プロのデザイナーが作成したテンプレートは、単に見た目がきれいなだけでなく、読みやすさや操作のしやすさも考え抜かれています。
専門知識がなくても、自分たちで更新しやすい
ホームページは作って終わりではなく、公開した後の更新が大切です。テンプレートは、画像や文章を差し替えるだけで使えるように設計されているため、日々の運用がとても楽になります。
テンプレートの最も根本的なデメリットは、同じテンプレートを使っている他社のサイトと見た目が似てしまうことです。
特に利用者の多い人気テンプレートは、同業他社が同じテンプレートを使っている可能性も十分にあります。配色やロゴが違っても、レイアウトの構造・メニューの場所・写真の配置が同じであれば、訪問者はどこかで見たことがあるという既視感を覚えます。
既視感は印象に残らないと同義です。サイトを見た後にあの会社、なんかよかったなという記憶を残せない場合、差別化ができず、値段で決められてしまうことが多くなりがちです。結果、問い合わせや来店につながりにくくなります。
個性が消えることの悪影響が最も顕著に現れるのが採用です。求職者はホームページを見てこの会社で働きたいかどうかを判断しますが、その判断の多くは、情報の内容だけでなく、デザインから伝わる会社の雰囲気・文化・価値観によって行われます。
テンプレートをそのまま使ったサイトは、どの会社にも当てはまる無個性な印象を与えます。「この会社はどんな雰囲気の職場なんだろう」「どんな人が働いているんだろう」という疑問に、デザインが何も答えてくれない状態です。求職者は複数の会社を同時に比較します。その中でなにか印象に残っている会社と普通の会社があれば、エントリーが集まりやすいのは前者です。採用に力を入れたい企業ほど、テンプレートの個性のなさは直接的な機会損失になります。特に以下のようなケースでは、採用における影響が深刻です。
同じ条件なら、印象に残った会社を選ぶのが人間の自然な心理です。テンプレートによる制作費の節約が、結果として採用コストの大幅な増大として跳ね返ってくるケースは決して少なくありません。
リクナビやマイナビなどの大手求人媒体を併用している場合、テンプレートの使用はさらに深刻なデメリットを生みます。
「大手ではないけれど、この会社の雰囲気が好き」「この社長の考えに共感した」という逆転の発想を生むのは、テンプレートではなく、その会社独自の体温が伝わるデザインです。テンプレートに頼ることは、せっかくの個性を出すチャンスを自ら放棄し、再び大手と同じ土俵(条件競争)に引きずり戻されることを意味します。
採用サイトにおけるテンプレート活用は、単なるデザインの手抜きではありません。大手企業との条件競争に負けないための最大の武器(=自社の個性)を自ら封印してしまうことに他ならないのです。
テンプレートは、あらかじめ決められた構造の中でしか変更できない範囲があります。「このセクションを削除したい」「ここに別の要素を追加したい」という要望が、テンプレートの構造上できないケースがあります。
こうした制約に後から気づき、フルオーダーで作り直すことになると、結果的にテンプレートで節約した費用以上のコストがかかることもあります。また、テンプレートを無理にカスタマイズしすぎると、コードが複雑になり、表示速度の低下や将来的なメンテナンスの難易度上昇につながることもあります。
同業他社が同じテンプレートを使っていた場合、サービスの内容や価格が似ていれば、訪問者にとってどちらを選ぶ理由がなくなります。
差別化はサービスの中身だけでなく、最初に見た印象からすでに始まっています。デザインが他社と似ていることは、比較された瞬間から不利な状況に立たされていることを意味します。
テンプレートによっては、コードの品質が低いものや、表示速度に問題があるものも存在します。Googleはページの表示速度・コードの品質も評価基準の一つとしているため、テンプレートの選択が検索順位に影響するケースがあります。また、同じテンプレートを使った多数のサイトが存在することで、似た構造のサイトとして差別化が難しくなる側面もあります。
テンプレートの中には「SEOに強い」「SEO特化」を謳うものも多く存在しますが、そこには発注前に知っておくべき大きな罠が隠れています。
テンプレートがSEOに配慮された設計であっても、それはあくまで土台に過ぎません。適切なキーワード選定、正しいHTML構造(見出しタグの使い分け等)、内部リンクの設計など、SEOの専門知識を持って正しく設定・運用しなければ、そのポテンシャルは10%も発揮されません。SEO特化型を買えば勝手に順位が上がるという誤解が、期待したほどアクセスが伸びないという失敗を招きます。
Googleは常に検索アルゴリズムをアップデートしており、評価基準は日々変化しています。
SEOは一度設定すれば終わりではなく、Googleの変化に合わせた継続的な最適化が必要です。テンプレートという固定された型を選ぶことは、将来的なSEO施策の自由度を奪い、変化の激しい検索市場での競争力を自ら削いでしまう可能性があることを覚悟しなければなりません。
| テンプレート | フルオーダー | |
|---|---|---|
| 費用 | 低い(数万〜十数万円程度) | 高い(数十万〜数百万円) |
| 制作期間 | 短い(数週間〜1ヶ月程度) | 長い(1〜3ヶ月以上) |
| デザインの個性 | 低い(他社と似やすい) | 高い(自社専用の設計) |
| カスタマイズの自由度 | 制限あり | 制限なし |
| 採用への効果 | 限定的 | 高い |
| ブランドの表現力 | 弱い | 強い |
| SEOの最適化 | テンプレート依存 | 自由に設計可能 |
| 将来的な拡張性 | 制約が出やすい | 比較的自由 |
テンプレートを選んだとしても、カスタマイズ量によって他社との差は生み出せます。テンプレートをそのまま使うことと、テンプレートをベースに丁寧にカスタマイズすることは、見た目の完成度に大きな差があります。具体的には以下の点をカスタマイズするだけで、テンプレートの印象は大きく変わります。
テンプレートを使う場合でも、どこまでカスタマイズするかを制作会社と最初に話し合うことが、仕上がりの差を生む重要な判断です。
テンプレートベースで制作するか、フルオーダーにするかで迷っている場合は、以下の3点を確認してみてください。
一つでも当てはまる場合は、少なくとも部分的にフルオーダーを検討する価値があります。
スイッチではテンプレートベースのプランとフルオーダープランの両方をご用意しており、予算と目的に合わせた最適な選択肢をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。